ミモザ色の街並みで感謝の気持ちを伝えるイベント「Hello Yellow」では、贈り物用の商品を購入された方に、ショップバッグに付けられるギフトタグをお配りします。
デザインはハルニレテラスの店舗「NATUR TERRACE(ナチュールテラス)」のオーナーとのコラボレーションによるもの。ここでは、ギフトタグができるまでのプロセスをご紹介します。
■黄色い花が咲くと、春を感じる軽井沢
軽井沢では、フクジュソウやダンコウバイ、スイセンなどの黄色い花の開花と共に春が訪れます。近年人気が高まっているミモザも春に咲く黄色の花で、その花言葉は「感謝」。春は入学や卒業など、新生活の始まる節目の季節でもあります。そこで、春の気配を感じる軽井沢で、“感謝の気持ち”を形にしたり、表現したりする時間を提供したいと考え、本イベント「HellowYellow」が始まりました。
■感謝の気持ちを伝えるギフトタグ
ミモザ色に彩られた街並みの中で、イベント限定のポストカードに感謝の気持ちを綴ったり、限定のドリンクやスイーツも楽しめる「HellowYellow」。開催2年目となる今年は、贈り物用の商品を購入された方に、ショップバッグに付けられるオリジナルギフトタグをお渡しするコンテンツを企画しました。
■まるで“前から探していたもの”に出会えるような場所
今回コラボレーションをご相談したのはハルニレテラスの店舗「NATUR TERRACE(ナチュールテラス)」のオーナー、須長檀さん。スウェーデンを拠点に、デザイナーとして活躍していたオーナー夫妻が営む店舗では、スウェーデンの美しい暮らしをベースに、軽井沢の生活経験から紡ぎだした製品が集められています。「まるで“前から探していたもの”に出会えるような場所」をコンセプトにしたNATUR TERRACEには常連として足繫く通う人も多くいます。
■軽井沢の福祉×デザインアトリエ「konst(コンスト)」
須長さんが展開している事業のひとつに、障がいのあるクリエイターのアート活動支援を行っている「konst(コンスト)」があります。コンストは、障がい者の“得意”を美の源泉とするアートワークショップを考え、ともに手を動かして生まれたプロダクトを社会へ繋ぐ、軽井沢を拠点とした福祉×デザインのアトリエです。クリエイターの方たちが描いた原画を使った、様々なプロダクトがこれまでにも生まれています。軽井沢病院の「おくすりてちょう」は、代表的な事例のひとつです。
■あらかじめ出来上がる何かを固定しないこと
須長さんとコンストの共同代表である渡部忠さんには、イベントの概要、コンテンツの趣旨、実現したいイメージなどを伝え、オリジナル原画制作のためのワークショップから考えていただきました。コンストが放つメッセージの中に、「あらかじめ出来上がる何かを固定しないこと。」とあるように、こちらからのオーダーは抽象的なものにとどめ、障がいのあるクリエイターの方たちとコンストが紡ぎ出す創作のプロセスに委ねることに。
ワークショップは、軽井沢町の保健福祉複合施設「木もれ陽の里」に位置する地域活動支援センターで行われました。
■クリエイターと一緒に創造の小道へ寄り道
施設を利用する障がいのある方たちと行われたワークショップは、すでにコンストと様々な取り組みを経験しているということもあり、とても穏やかな空気の中で進んでいきました。
コンストが用意した「イエロー」の色をした部材をレジンが敷かれた枠の中に置いていく、という単純な動作ですが、選ぶ部材、部材の数・種類、配置などによって、千差万別。クリエイターの方たちはみんな熱心に、目の前の部材と向き合っていました。私たちはそれぞれの持つ個性と集中力がクリエイターの方の手元でカタチになっていくのを見守ります。この時点でコンスト側もゴールは見えていない状態だといいます。できあがった原石のような素材をもとに、何ができるか考える創作アプローチをしているんだそう。
■春を呼び込むイエローのギフトタグ
そして、グラフィックとして変換された原画は、六角形が連なるギフトタグに変貌を遂げました。原石のような素材(=原画)を慈しみ、プロダクトとして組み立てられたギフトタグ。その制作プロセスも大切にしたい、素敵なギフトタグが誕生しました。
少し余談ですが、早春から春にかけて黄色の花が多いのは、まだ色彩に乏しい山野で、黄色が目立つ色だからであり、早春からいち早く活動を始める蜂たちから見つけやすくするためだそう。
軽井沢星野エリアで贈り物を購入された方のショップバッグに付けられたイエローのギフトタグが、春を呼び込んでくれたらと思います。
「Hello Yellow」
期間: 2024年3月1日~4月14日
場所: ハルニレテラス、星野温泉 トンボの湯、村民食堂、イカルカフェ、カフェ ハングリースポット